WELL-BEING RESEARCH2026.07.27 更新定義 × 市場 × 学問 × 政策

「幸せ」より広く、
「健康」よりも広い

ウェルビーイングは一つの商品カテゴリーではない。人・組織・社会が「よく生きられているか」を、心身、生活、関係、意味、環境、持続性から捉える上位概念である。

この調査における定義

その人が心身・生活・人間関係・社会環境を含めて、持続的に「よく生きられている状態」。

00

DEFINITION

ウェルビーイングとウェルネス

市場規模を理解するには、「到達したい状態」と「その状態を目指す活動・商品」を分ける必要がある。

ACTIVITY / MARKETウェルネス

運動、食事、睡眠、旅行、美容、セルフケアなど、よい状態を目指す活動・生活習慣・商品。

OUTCOMEウェルビーイング

心身・生活・関係・意味・環境を含めて、よく生きられている状態。

言葉意味
Well-being人や社会の「よい状態」健康、安心、意味、つながり、生活満足
Wellnessよい状態を目指す活動・生活習慣運動、睡眠、瞑想、食事、セルフケア
Wellness economy活動を支える商品・サービス市場ジム、化粧品、サプリ、旅行、住宅、アプリ
01

DIMENSIONS

一つの数値ではなく、多面的な状態

BODY

身体

健康、睡眠、痛みの少なさ、活力

MIND

心理

感情の安定、自己受容、自律性、成長実感

MEANING

意味

生きがい、目的、自分らしさ、貢献感

RELATION

関係

家族、友人、所属、信頼、社会的つながり

LIVING

生活基盤

所得、住居、雇用、教育、安全

SOCIETY

社会・環境

公平性、地域、自然環境、社会参加、将来性

OECD|現在のウェルビーイング11領域

所得と資産/仕事と仕事の質/住居/健康/知識と技能/環境の質/ワークライフバランス/社会的つながり/市民参加/安全/主観的ウェルビーイング

将来も維持できるか 自然資本人的資本経済資本社会関係資本
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MEASUREMENT

主観と客観の両方を見る

OBJECTIVE

客観的条件

所得、健康、雇用、住居、安全、教育、環境など、外部から観察・測定できる生活条件。

WELL-BEING

条件と経験の組み合わせ

SUBJECTIVE

主観的経験

生活満足、日々の感情、意味や目的など、本人が人生をどう経験・評価しているか。

01

人生評価

総合的に見て、自分の人生にどのくらい満足しているか。

02

感情

最近、楽しい、穏やか、不安、悲しいなどをどの程度経験したか。

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意味・目的

自分のしていることに意味があり、能力を生かしていると感じるか。

所得が高くても孤立している、満足度は高くても雇用が不安定という状態がある。客観条件だけでも、本人の気持ちだけでも全体は捉えられない。

03

HAPPINESS

「楽しい」と「よく生きる」は違う

状態楽しさ意味ウェルビーイングとして見ると
好きな動画を一晩中見る高い場合による睡眠を損なえば低下し得る
苦労しながら子育てをする常に高くない高いことがある負担と意味の両方を見る
高収入だが過労と孤立がある場合による場合による総合的には低い可能性がある
挑戦的な仕事に取り組む苦しい時もある高い成長や自律性を含め高まり得る
幸福感との違い

ウェルビーイングは、いつもポジティブでいることではない。苦しさがあっても、意味・つながり・自律性・生活基盤が保たれた「よい人生」はあり得る。

04

MARKET REALITY

巨大なのは「状態」ではなく周辺市場

GLOBAL WELLNESS ECONOMY|2024 $6.8T

Global Wellness Instituteによる11分野の合計推計。Well-beingそのものの市場規模ではない。

BEAUTY

美容・パーソナルケア

NUTRITION

健康的な食事・栄養・減量

ACTIVITY

フィットネス・身体活動

TOURISM

ウェルネスツーリズム

PREVENTION

予防医療・個別化医療

REAL ESTATE

ウェルネス不動産

MENTAL

メンタルウェルネス

WORKPLACE

職場のウェルネス

数字を読むときの注意

新しい単独市場が生まれたというより、以前からある健康・美容・旅行・住宅・職場支援が「よりよく生きる市場」として再編集された側面が強い。

05

ACADEMIC & POLICY

なぜ大学と政策の対象になるのか

目的人と社会を
よりよい状態にする
心理学
医学・公衆衛生
経済学
社会学・福祉
哲学・倫理
教育学
経営・組織
公共政策・環境

大学で扱うのは「幸せになる方法」だけではない。何がよい状態をつくるのかを測定し、個人・組織・地域・社会の仕組みを設計する学際領域である。

従来GDP・所得・雇用
生活の質健康・関係・安全・環境・満足
Beyond GDP経済成長が何のためかを測る

日本の内閣府も、生活満足度と家計、雇用、住宅、健康、教育、社会的つながり、自然環境、安全、子育て、介護などをWell-beingダッシュボードで捉え、政策運営への活用を進めている。

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RISKS

広い概念だからこその曖昧さ

科学・公共領域公衆衛生・政策・心理研究
生活支援運動・睡眠・職場改善
嗜好・高級消費高級スパ・旅行・美容
注意領域根拠の弱い治療・万能商品
01

定義が広すぎる

健康に関係する商品なら何でもウェルネスと呼びやすい。

02

目的が混同される

幸福感、健康、生産性、企業利益が同じものとして扱われる。

03

個人責任化

過労や格差など構造問題を、セルフケア不足に置き換える危険がある。

04

根拠の強弱

科学的な介入と、疑似科学的な商品が同じ市場に混在する。

05

高級化

本来は誰にでも重要な状態が、富裕層向け消費として売られやすい。

06

測定の限界

満足度だけでは、不平等や将来の持続可能性を見落とし得る。

07

JIBUN KENPO

自分憲法との関係

OBSERVEジャーナリング

現在の経験・感情・考えを観察する。

EXPLOREコーチング

選択肢や前提、行動を対話で検討する。

DEFINE自分憲法

自分にとってのよい状態と判断基準を定義する。

OUTCOMEウェルビーイング

仕事、関係、健康、暮らしの中でよく生きられている状態。

最も正確な位置づけ

ウェルビーイングは目指す状態。自分憲法はその状態を自分なりに定義し、日々の選択へ反映する仕組み。

自分憲法だけでウェルビーイングが保証されるわけではない。所得、健康、家庭、職場、社会環境など、本人の意思だけでは変えられない条件も大きく影響する。

08

SOURCES

主な参照先